データからみる楽曲大賞2008

 年末に楽曲大賞の結果が発表されましたが、今日はこのデータを中心にいろいろとみていきたいと思います。現在のヲタの志向が見えてきますよ〜。

得点比率、得票比率

 まずはどのアーティストがどれくらいの支持を得ているのか、それぞれのアーティストごとの得点の割合をみていきます。仮にこれを「得点比率」と名付けましょう。得点比率は、

 (得点比率)=(該当するアーチスト名義の曲に入れられている得点の総和)÷(楽曲大賞2008の総得点数)×100

で算出し、パーセントで表します。
 また、今回のデータには「得票数」もありますので、これも得点と同じように全体に対する割合をみていきます。これを仮に「得票比率」と名付けましょう。得票比率は、得点比率同様に、

 (得票比率)=(該当するアーチスト名義の曲に入れられている得票の総和)÷(楽曲大賞2008の総得票数)×100

で算出し、パーセントで表します。 
 すると結果は以下の通りになりました(1%以下のアーチストは「その他」としてまとめました)。

 表をみてもらうとわかるように、得点比率と得票比率はほぼ同じですね。だから大雑把にいえば、得点に関係なく多く得票されれば上位に食い込むことができる傾向があるといえると思います(ただし、細かいところでは違いがでてきますけどね)。
 楽曲大賞では、順位は得点で決めるので、これ以降は得点比率でみていきましょう。
 この得点比率を円グラフであらわすと、下図のようになります。

 ここではっきりいえるのが、得点比率上位3組(娘。、℃-ute、ベリ)が跳びぬけて多いことがわかりますね。

曲得点

 次に、そのアーチストに入れた皆さんが1曲あたり何点入れたか、ということを考えてみます。すなわち、1票かつ1曲あたり何点か、ということです。この数値を、ここでは仮に「曲得点」と名付けます。「曲得点」は、以下のようにして求めることにします。

(曲得点)=(該当アーチストの得点の総和)÷(該当アーチストの票数の総和)÷(該当アーチストの楽曲大賞に得点が入れられている楽曲の曲数)

 曲得点を求めるアーチストは、前述の得点比率で1%以上のアーチストに限ることとします。
 ということで、計算すると、以下の表の通りになります。

 この数値が高いほど、1曲あたりに入れられている点数が高い、つまり「ぶっこまれている」状態がわかります。また分母が票数と曲数になっていますので、票がいっぱい入るほど、または曲数が多いほど数値は小さくなること、つまり「大衆性指向が強い」ということがわかります。娘。の数値が「0.09」と特に低いのは、やはりそれだけ得票していることと、楽曲も多いということをあらわしています。これに対し、音楽ガッタスBuono!が高い数値を出しているのは、楽曲数が少ないということと、少ないのにもかかわらずほぼ1曲に集中して得票を得られた、ということをあらわしています。

得点比率と曲得点の関係

 ここで、得点比率と曲得点を散布図によってグラフ化してみます。横軸が得点比率で縦軸が曲得点です。すると興味深い結果が得られました。

 図をみてもらうとわかりますが、明らかに3グループの塊ができていることがわかります。ここえでは、これをグラフにあるとおり、それぞれAグループ(赤)、Bグループ(青)、Cグループ(緑)とします。それぞれのグループは、以下の通りです。

Aグループ:モーニング娘。℃-ute、Bwrryz工房
Bグループ:音楽ガッタスBuono!、アテナ&ロビケッツ
Cグループ:その他

 それそれのグループについて考察していきましょう。
 Aグループ:ここは得点比率は高いが曲得点が低いグループです。つまり、ヲタの中で非常に幅広く支持されている「大衆性」を持つグループといっていいでしょう。これらが、現在のハローの「3本柱」となっているのがよくわかります。
 Bグループ:得票率は低いが曲得点が高いグループです。ここのグループはリリースされている曲が少ないけど、少ない曲のなかでも高い支持、いいかえれば熱烈な支持を得ている現状が読み取れると思います。グループの構成アーチストからみるに、Bグループはメンバーは所属する本体から離れて結成された企画的ユニットで、その本体で押していたヲタが、企画的ユニットにおいて熱烈に押している状況がわかるのではないかと思います。
 Cグループ:このグループは、ヲタが細分化しなおかつ固定化しているグループと見れるでしょう。
 以上をまとめてみると、現在のヲタの押しの状況が以下の通りにまとめることができるのではにかと思います。

 基本的に、娘。、℃-uteBerryz工房の3アーチストについては、全体的にこの三つのいずれかのヲタになっている。この3ユニットから企画的ユニットが誕生すると、ヲタの一部はそちらも熱烈に応援する。残りのアーチストについては、ヲタは細分化され幅広い支持は得られていないが、一定の評価をする固定のヲタが存在している。

 数字はなんて正直なんでしょうね〜。
 しかし、「楽曲大賞にエントリーする曲がそのままそのヲタとは限らない」と言われてしまえば実も蓋も無いですが、経験的に、ベリ専門に押している方がメロンの曲に1位をつけているところはみたことがないですからねぇ(必ずないとは言えませんが)。
 時間があれば、時系列に追ったデータなどもみていきたいと思います。

※追記 表中の「Buono!」のスペルが間違っていました。すみません。