リン酸の二核のイソポリ酸

 ここで、リン酸は分子式H3PO4がオルト酸の形であり、これがオルトリン酸(orthophosphoric acid)である。
 このオルトリン酸の二核脱水のイソポリ酸がリン酸のピロ酸の形である。つまり、H4P2O7が、オルトリン酸のピロ酸であり、ピロは接頭語になるので、これが、
 ピロリン酸
となる。
 だから、ピロリン酸は、ピロ-リン酸であって、ピロリン-酸ではない。英語名では、オルトリン酸の形から、pyrophosphoric acid となるであろう。ただし、冒頭にも述べたように、ピロ酸は一般的には二核のイソポリ酸とみなされるので、ピロリン酸という名称は、あまり好ましい名称ではないだろう。
 また、ピロ酸を含むイソポリ酸は、遊離酸としてではなく、大部分が塩としてだけで知られていることも付け加えておこう。